俳句的つれづれ日記



虚無への供物
2012年05月24日 (木) | 編集 |
小栗虫太郎の『黒死館殺人事件』、夢野久作の『ドグラ・マグラ』―そしてこの中井英夫の『虚無への供物』
日本探偵小説史上の三大奇書。
恥ずかしながら、実はまだ『虚無への供物』は読んでいなかった。

黒死館やドグラ・マグラよりはずっと読みやすかった。
作品第2章までの部分を乱歩賞に応募していて、乱歩は「冗談小説」と評したとか。(いい意味で)

book12051902.jpg

タイトルの『虚無への供物』はP・ヴァレリーの詩からとられている。

  『虚無』へ捧ぐる供物にと 美酒すこし 海に流しぬ いとすこしを 
                     (ポール・ヴァレリー/堀口大學・訳)

この作品はなるほど美酒のような味わい…って私お酒飲めないんですけどね。
お酒好きな人たちが気持ちよ~く酔ってる状態は、こういう感じかなと思いながら読んだ。
芳醇で華麗で深みのある味。

素人探偵たちの推理合戦、推理小説談義。密室殺人。反転。
薔薇やシャンソン、経文、アイヌ神話。宝石。ゲイバア。
古い洋館。E・A・ポーの『赤死病の仮面』に見立てた部屋。
文体も登場人物も道具立ても舞台も、ああ中井英夫だー

しかし…
竹本健治の『匣の中の失楽』は以前から愛読しているのだけれど、できれば『虚無への供物』を先に読むべきだった。ちょっと後悔。
コメント
この記事へのコメント
更紗さま
私は大ファン、とまではいかないのですが、でも好きな作家です。
薔薇の館の隣に住んでたなんて!言葉を交わしたことがあるなんて!私もそのご友人が羨ましいですよ!

ご主人、『虚無への供物』がお好きなら、もしかして竹本健治の『匣の中の失楽』もお好きなのでは…
2012/05/24(木) 01:01:53 | URL | hisohiso #-[ 編集]
hisohisoさま、こんばんは。
『虚無への供物』うちに数冊あります。旦那が中井英夫の大ファンで、全集もあります。
でも、私はあまり読んでないんですよね・・。読んでみよっかな~。
私の友人は偶然中井英夫の薔薇の館?の隣に住んでたときがあって、言葉を交わしたことがあるんですよ。
旦那が羨ましがってました。
2012/05/24(木) 00:32:30 | URL | 更紗 #-[ 編集]
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